2012年8月31日 (金)

在宅療養への道⑤

厳しい状況が続いておりますが、穏やかに日々過ごしております。

時に「死」への不安におびえ、
私は、最良の理解者を失うことの恐怖におびえ、
身の置き場のない時間を過ごすこともありますが、

しかし、そのほとんどは、10数年前の子育てを思い出すような、
ほのぼのとしてあたたかな時間を過ごしています。

わが子の顔は何時間見つめていても飽きることがありませんが、
ともに歩んできた夫のやせ細って、シワシワになった顔をも何時間見つめても飽きることがないものです。

いろいろな楽しかったことを思い浮かべならが、濃厚な時間を過ごしています。

本当だったら、あと20年、いいえ30年は、一緒に暮らしたかったけれど、
家に帰ってきてからの1日は、1年に匹敵するくらい、凝縮したものになっている気がします。
もう少し、このおだやかで幸せな時が続きますように!

| | コメント (18) | トラックバック (0)

2012年8月27日 (月)

在宅療養への道④

最初に、在宅療養について最も不安だったのは、実現可能どうかということでした。
我が家は、夫と私、子供二人で、私はフルタイムで働いており、子供たちは、それぞれの学校に通学し、昼間一人の時間帯ができてしまいます。それでも、大丈夫なのか?ということです。

相談室のTさんに相談したところ、単身者でもできるのだから、大丈夫!と背中を押され、準備を開始したのでした。
その他にも、24時間輸液つけていますので、これを退院後どうやって持ち歩くのか、輸液保存用の冷蔵庫のスペースはどの程度必要か、などなど本当に小さなことのひとつひとつまで相談に乗ってもらい、いざ在宅となったわけです。
家に戻ると、予定どおりに行かなかったのは、夫の体調で、後は、ほぼ予定どおりに進んで行きました。

また、入院中から介護保険の申請をしました。
早く申請し過ぎてし要介護認定がおりないのではと心配しましたが、末期がんであれば、一定の要介護は下りるようなので、退院に合わせて早めに申請した方がよさそうです。
市の認定の担当者が入院中病院に調査に来てくれて、本人の状態を確認します。それと医師の意見書をもとに約1か月後に要介護認定2がおりました。
実際に在宅になった時点で、すぐに介護保険を利用する予定はなかったのですが、実際に生活してみるとまた病状によって、いろいろと必要なものが出てくるものです。

最初に依頼したのは、トイレの手すりの取り付け工事でした。一旦座ってしまうと立ち上がるのが大変なため、立ちあがりやすい位置に手すり工事を依頼しました。次にベットの枕元に据え置き型の手すりを、一人で身体を起こす補助が必要となり、レンタルしました。さらに、痩せて骨ばった身体に安いベットはこたえるようで、ベットに乗せるマットをレンタルしました。これは、入れた瞬間から、寝心地の良さを実感し、もっと早く依頼すればよかったと思ったくらいです。
ベットも介護保険でレンタル可能ですが、当初、退院に介護認定が間に合わないだろうと、ひとまず、簡単なベットを購入したのですが、たとえ最初のひと月が自費になってしまっても、きちんとしたものをレンタルした方がよかったと後から後悔しました。
そして、さらにお風呂のある2階に上がるのが困難になったため、訪問入浴サービスも利用しました。シャンプー、シャワー、大好きな髭剃りもでき、サッパリとしてとても気持ちよかったようです。

自宅にいて、ほとんど動けなくても、思ったよりできることは多いものです。
目下の計画は、訪問散髪ですが、寝たままの状態で果たして散髪可能かどうか、その場合に髪型は、寝た状態でカッコ良く見えるようなものになるのか???ですが、体調の良い時にためしてみたいものです。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2012年8月26日 (日)

在宅療養への道③

在宅療養中の夫に代わり少しブログをすすめてみたいと思います。

まずは、皆さんに心配かけている近況ですが、現在も療養中で、週に2回ずつ、往診と訪問介護を受けております。
いろいろと不自由なことは、増えておりますが、気持ちのよい、スタッフの方々に恵まれて、静かに毎日を送っています。

夫は、在宅での療養を希望しておりましたが、実際にこの希望をどうやって実現したらよいのか、私たち夫婦は具体的には、考えていなかったのです。まだ、しばらくは、在宅+通院という形で普通に過ごせると思っていたのです。ところが、状況は思うより早く進んでしまいました。それでも、あわてることなく在宅医療に移行できたのは、病院の相談体制が整っていたことが大きいと感じています。

私たちにとって、まず不安に感じたのは、在宅に移行した後サポートしてくれる人たちをどうやって探せばよいのか、と言うことでした。

病院のがん相談室の看護師さんが私たちの希望をヒアリング、それに沿って、自宅に訪問可能な往診医のや、訪問看護ステーション、薬局等の紹介をしてくれました。決して押しつけがましくなく、私たちにいくつかの選択肢を示し、依頼前に顔合わせの機会などもつくってくれました。
一方で、在宅で家族もできるようにということで、カテーテルの針の交換やルートの交換方法や、胃管とパックの交換、洗浄方法なども入院中に看護師さんの指導の元に何度か実際に練習をしたりしました。

そして、満を持して在宅に移行したとたん、以前夫が書いたように、すさまじい痛みに見舞われ、あわやまた病院に逆戻りかとおもいましたが、何とか持ちこたえ、現在も自宅で療養を続けられています。
本人は、在宅という選択に、現在も満足しています。退院できて家で療養できることを本当によかったと言っています。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2012年8月 8日 (水)

オリンピックでハラハラドキドキ

薬の影響もあって昼間はうとうとしていることが多いので、夜遅くまで、あるいは深夜や明け方に目が覚めてテレビでオリンピックを見ています。

金メダルがなかなか取れないのは本当にもどかしいのですが、メダルに直接関係なくてもハラハラ、ドキドキする試合ばかりです。目が覚めると「メダルラッシュ」、夢かうつつか分からなくなってきました。

昨晩も女子卓球団体、女子バレーボール、男子サッカー。前の晩は、フェンシング(大興奮!!)、バトミントン、女子サッカー(大ハラハラ!!)。合間を縫ってボクシングやグレコレスリングなど最近あまりオリンピックで活躍できなかった競技がメダルを取っているのだからたまらんですわ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年8月 2日 (木)

オリンピック観戦―自転車タイムトライアル

内村航平が体操個人総合で金メダル。メダルラッシュのロンドンオリンピックですが、なかなか金メダルは取れないですな。銀、銅でも十分、盛り上がりますが金メダルを取るのは本当に難しい。

そんななか、私の注目する自転車は、タイムトライアルが行われ、金:ウィギンズ、銀:トニー・マルティン、銅:フルームという、今年のツールを満喫した私には至極妥当な結果でした。

オリンピック連覇を狙ったファビアン・カンチェラーラは、ロードの落車の影響もあったようで8位(だったような)。日本代表の別府選手は22位(だったような)。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2012年8月 1日 (水)

在宅療養への道②

暑い夜が終わり、粘ついた汗を洗い流すためにシャワーを浴びる。髭を剃りさっぱりした身体にクーラー-の冷気が心地よい。

シャワーの後は朝食だ。トーストにたっぷりのマーガリン、チーズにミルクティー。簡素だがトーストの香りがうまさを引き立てる。

さて今日は、昨日読みかけの本の続きにしようか、それとも眠気に負け途中で寝てしまったオリンピック録画を見ようか……。そんな夢のような病人ライフ?????????

残念ながら実際には、シャワーをあびる身体は骨と皮ばかり。尻に肉がないため、座っているだけでお尻が痛い。身体も思うようには動かせず、体力もないため数日ぶりのシャワーを浴びるとぐったりです。

食事も飲みことはできません。トーストも口の中でもぐもぐしただけで、飲み込むことはできません。でも入院ではこんな気分も味わうことはできませんよね。家族や往診の先生、訪問看護センター、薬局などたくさんの人の協力を得ながら、こんな在宅療養生活を目指しています。

そもそも膵がんと診断をされたときに、やがては悪化するときが来るのではないかと考え、こんな在宅療養も選択肢の一つとして考えていました。必ずしも、抗がん剤治療→悪化→緩和ケア治療=在宅療養、と単純に考えていたわけではなく、そのときどきの自分のQOLを最優先して考え、その選択肢として在宅療養もひとつの有効な手段だと考えていました。

遍路から帰ったあと、急激に体調が悪化。私自身の考えでは、単純ながんの悪化や抗がん剤の副作用が体調悪化の原因とは思えず、当面は抗がん剤治療よりもまず対処療法による体調の緩和が必要だと思われました。それならということで、今後は在宅療養に移行しようと考え、準備をはじめようと(ブログのタイトルを変更したのもその一環jです)した矢先、入院することになってしまいました。

間に合わなかった……、ということです。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2012年7月30日 (月)

オリンピック開幕・・・在宅療養への道①

いやー。いよいよオリンピックがはじまりました。わずか、十数日の間にこれだけのの競技が行われるわけで、本当に連日、濃い内容、メダル争いが続いています。

見ていて感じるのは、悲壮感をもって金メダルを目指す人よりも、全力を出し切って、銀メダルや銅メダルを取った人のほうが、ずっと楽しそうにみえること。これは日本人も外国人も変わりません。

私の注目する自転車は個人ロードレースでヴィノクロフが優勝しました。昨年のツールで引退を表明、しかしそのレースで大けがをしてしまったため、オリンピックを目指して今年のツール参戦をしたヴィノクロフの優勝は劇的でしたが、ウィギンズ、フルームというツール1位、2位をアシストに、エース、カベンディシュで金メダルを目指した地元イギリスが惨敗したのは驚きでした。

こうしたレースでは、国別でチームをつくること、成績に応じて国別のエントリー数が決まることもはじめて知りました。

どうしても動けなくなったら、在宅で療養したいとかねてより考えていました。そのための準備も進めていましたが、実際には入退院を繰り返し、なかなか在宅療養に移ることはできませんでした。ようやく、体制も整い、家族と一緒にオリンピックを楽しめるのは本当にうれしいことです。

今後、ブログでも在宅療養への考え方や体制づくりについて、折に触れて書いていこうと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年7月27日 (金)

退院~その後

前回のブログ更新から一週間以上を経てしまいました。退院も近いと書いていたので、気になった方もいらっしゃるでしょう。ご心配をおかけしました。

それにしても退院し、在宅で療養することは容易なことではありませんでした。体調の急変、悪化。薬の変更やそれに伴う状態の変化、家庭でのサポート体制、往診の先生や訪問看護ステーションの方とのスケジュールの調整などなど。

これらはおいおい書いていきたいと思いますが、とりあえず何とか落ち着きました。とりあえずというのは、退院直後の体調悪化に大いに苦しめられたためです。前回の週末のみ退院と同様に、「今回もまた病院にとんぼ返りしなければならない」と思ったことも再三でした。一週間を経て、ようやく在宅療養ができ、ブログが書けるようになったというのが正直なところです。

落ち着ければ、病院より在宅がやっぱりいです。ツール・ド・フランスもすべて見ることができました。昨晩は、ロンドンオリンピックのサッカー男子の試合を妻と一緒に見ることができ、興奮しました。これからは、オリンピックやブエルタ・エスパーニャ(スペインを一周する自転車レース)、そしてNFL(開幕は9月とずいぶん先ですが)など、気軽に予約してテレビで楽しむこともできます。

与えられた状況の中で、いろいろと楽しいことを見つけ出していきたいと思っています。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2012年7月18日 (水)

外出:スーパー歌舞伎ヤマトタケル

退院前の練習と言うことで、外出をしました。朝9時、鼻チューブを抜き、点滴をはずしてでかけました。今年1番の暑さだったようですが、病人には特に暑くて大変という感じではありませんでした。実際、どこもちゃんと冷房が効いているし。

都心まで30分ほど電車に乗ってでかけ、観劇したあとはすぐに病院へ直帰。夕方5時には再び病院のベッドに戻っていました。流石に疲れました。病院にいると「わりと元気だな」と感じることも多いのですが、活動する社会のなかにいると、「ああ、俺は病気なんだ」という現実を突き付けられます。

ただ、観劇は杖をついた高齢者が多く、杖をつきながらよちよち歩く私も、特に違和感はありませんでした。

さて、病院を抜け出してまで見に行ったのが、スーパー歌舞伎ヤマトタケル。市川猿之助・市川中車の襲名披露公演です。入院する前に予約し、楽しみにしていたもので、ちょうどいいタイミングだとでかけたわけです。

演目がスーパー歌舞伎ということもあるのでしょうが、歌舞伎は芝居とか芸というよりも、エンターテインメントという言葉が似合うように思います。香川照之さんが従兄の亀治郎さんのバックアップを受けながら息子のため、父のあとをついで歌舞伎の世界に挑戦する、といった家庭の事情も織り込みながら、ファンに夢の世界を届けてくれるわけですね。

うまいかへたか、つまらないか面白いか、歌舞伎ファンではない私にはよくわかりませんが、とにかくきらびやかで楽しい。豪華な舞台に衣装、派手な演出、歌?あり踊りあり、空中を飛ぶ猿之助。本当に夢を見ているような世界が新橋演舞場に展開されます(これは、天井高が高い歌舞伎座ならもっと映えるのでしょうね)。ザッツ・エンターテインメントです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年7月16日 (月)

うらやましいぞ

病院の食事は、朝食8:30、昼食12:30、夕食18:30です。時間になると、「○○さーん、食事ですよ」と看護師さん?がベッドまで持ってきてくれます。ベッドはカーテンで仕切られているので、隣の方が何を食べているかは見ることができませんが、もちろん匂いは漂ってきます。

病院食がうまいとか、まずいとか言われたりしますよね。あるいは「こんな時間に食事かよ」と言う不満もあるかも。この病院はどうなのでしょう。

カーテン越しに食事を運んできた看護師さんと患者さんの会話が聞こえます。「お昼は麺類がいいんで今度変えていただけますか」「おかゆから普通のご飯に変わりました」「おっ、今日は私の好きな煮ものですね」「いやー、うなぎなんか出るんですか」

先日の七夕のときには、「今日は七夕バージョンなのでご馳走ですよー」と配っていました。

「禁食」の私には、配膳はいつも素通り。けっしてカーテンから食事の乗ったトレイが顔をのぞかせることはありません。空腹でたまらない、ということはないのですが、それでも体調が安定してくると「何か食べたいなー」と考えています。飴やガムで口元をまぎらわしてはいるのですが。

食べることがやっぱり生きていることを実感できる基本なんですよね。隣のベッドの人、本当にうらやましいぞ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«にわかファンのためのツール・ド・フランス